豚肉の部位別に特徴を知って料理の幅を広げよう!適した料理も紹介!
豚肉の部位別に、それぞれの基本的な特徴をざっくりと掴んでおきましょう!
まずは、豚肉の部位別に一般的な知識を学びましょう。 特徴を抑えれば、料理のテクニックや使い方によって、それぞれの部位の魅力を最大限に引き出すことができます。
豚肉を使った美味しい料理を楽しむために、部位別にその種類と特徴をしっかりと把握しましょう。
豚肉の部位別の基本と特徴、適した料理
豚肉の部位別に、それぞれの特徴をざっくりと掴んでおきましょう。
豚肉は、肉の部位ごとに特性が異なります。豚肉の部位にはロース、バラ、ヒレ、肩ロースなど様々な種類があります。部位別にそれぞれの特徴を理解し、適切に活用することで、より一層美味しい料理を作ることができます。豚肉の各部位についての基本的な知識を持ち、その特徴を活かした料理を楽しんでみましょう。
ロース
豚肉の部位の中でも代表的なのがロースです。ロースは豚の胸から腰にかけての背中側部分にあたり、柔らかさときめ細かさが特徴とされています。赤身と脂身の部分がはっきりとし、脂部分の旨みや甘みもあり、全体的に上品な味わいが特徴なのも人気の1つです。
軽い甘みと豊な味わいが特徴的なロースは、中火でじっくりと加熱することで、肉の旨みが引き立ち、しっかりとした食感を楽しむことができます。その為、ステーキやローストなど豚肉そのものの味を楽しめるシンプルな調理法がよく合います。
バラ
バラは豚のお腹周りの部位であり、とろけるような食感と独特の香りが特徴です。脂身が豊富に含まれており、そのために舌触りが滑らかで柔らかく、口の中でほどけるような食べごたえも楽しむことができます。バラは、煮込むことで脂身がとろけ、肉自体も柔らかくなるため、全体がとろけるような食感になり、甘さも増して美味しさが引き立ちます。バラ肉は煮物や焼肉だけでなく、ラーメンのチャーシューや豚まんの具材としても幅広く使用されています。そのしっとりとした食感と豊かな風味を活かした料理は、生姜などの香味野菜と煮込んだ角煮が代表的で、多くの人に愛されています。
肩ロース
肩ロースは、首から背中にかかる肩の部分に位置するお肉です。特徴的な部位であり、脂肪と赤身のバランスに優れ、上質なほど、赤身の筋肉繊維の中に、サシと言われる脂肪が網目模様のように細かく、溶け込むように入ります。その為、柔らかな赤身の肉質と適度な脂身が絶妙に調和しており、ジューシーで豊かな旨みと、柔らかい食感が楽しめるのも魅力の一つです。豚肉の中でも、味わい深く食べ応えのある部位として知られています。
肩ロースの脂肪と赤身のバランスの良さは、さまざまな料理の味付けや調理方法に合わせやすく、多くの料理で活躍します。
ステーキは勿論、焼肉や炒め物、煮込み料理など、肩ロースを使ったレシピは数多く存在します。さらに、肩ロースは、薄くスライスしてしゃぶしゃぶにすることもできます。そのため、肩ロースは食卓で幅広いバリエーションの料理を楽しむことができる部位といえます。
モモ
モモは、お尻の方で良く動かすところのため、脂肪は少なめで筋肉が多い部分です。
脂身は少なく、きめの細かい赤身の部分で、あっさりとした味わいが特徴です。
ボンレスハムの原料にも使われます。
モモは、お肉の色が薄いほど、柔らかさが増します。お尻側の外モモ部分は、きめが粗くなり、歯ごたえが増すため、薄切りにして調理するとよいでしょう。
クセのないあっさりとした味わいである為、鍋や煮物、ローストポークなど様々な料理に対応できます。炒め物や豚汁とも相性がよく、使いやすい部位です。
ヒレ
バラの上部。高級な貴重部位で、豚一頭から取れるヒレは、800g程度です。
豚肉の部位中一番キメが細かく、脂肪もほとんどついていないので、あっさりとした淡白な味わいが特徴です。肉質は、とても柔らかく、ヒレカツなどの油を使う料理で美味しくいただけます。また、脂っこいのが苦手な方も、茹でてサラダにすれば、ヘルシーな一品としても楽しめます。薄切りにして、好みのタレに漬け込んで焼いた肉丼もお勧めです。
スネ
運動量が多く筋肉質な部位の為、肉質は硬めです。程良い脂身を持ち、味濃く、しっかりとした旨みを感じることのできる部位である為、煮込み料理に向いています。煮込むことで、柔らかな旨みの凝縮した味わい深い料理に仕上がります。
ひき肉の材料に使われることも多い部位ですので、ハンバーグやミートソース、キーマカレーやガパオライスなどに使うのもお勧めです。
その他の希少部位
<カシラ>
豚の希少部位の1つです。一頭の豚から数百グラムしか取れないとされています。
鮮度を保つのが難しく、スーパーには出回りにくい部位です。
<ランプ>
ロースのお尻側とモモの間にあります。一頭の豚から2kg程度しか取れず、モモのやわらかさにロースの繊細さが融合したような旨みが凝縮した肉質です。流通量が少ないため珍しい部位です。
<トントロ>
豚の首部分です。コリコリとした噛み応えに加え、脂がのっているため、口の中でとろけるような味わいが楽しめます。こちらも希少で、一頭から500g程度しかとれません。
<ハラミ>
豚の横隔膜の部分です。バラ肉にくっついていて、選別されないことも多く、一頭の豚から500gもとれない希少部位です。赤身に鉄分を多く含み、ジューシーで独特なうまみと食感が特徴です。
<コブクロ>
豚の子宮部分です。やわからでコリコリした食感が特徴。脂質が少ないため、味わいは淡白でさっぱりとしている低カロリー部位です。
<トンソク>
豚の足です。ゼラチン質を豊富に含んでいます。ボイルして、酢味噌でそのまま食べるのが一般的です。醤油で煮込んでも美味しく頂けます。
<ミミ>
豚の耳の部分で、沖縄のミミガーで知られています。ゼラチン質でコラーゲンとカルシウムが豊富です。脂肪分が少なく低カロリー。軟骨部分のためコリコリの食感があります。
表皮の毛をあぶり焼いて処理した後、茹たり蒸したものを細切りにして食べるのが一般的です。
<ハツ>
豚の心臓です。脂肪が無く、ホルモン焼きや串焼等に使われます。
この他にもガツ、レバー、タン、ナンコツ、チレ、フワ、テッポウ、ショウチョウ、ダイチョウ、テール、コメカミなどといった部位別に分けられ、それぞれ特徴を持ち、肉質や食感が違います。それにより豚肉は色々な味わい方が楽しめます。沖縄では、豚を鳴き声以外全部食べると言われていますが、まさに、豚は余すところのない食材と言えます。
部位別の味の違いを楽しむ!
豚肉を部位別に見てきましたが、それぞれに特徴を持つことがお判りいただけたと思います。ここでは、同じ料理で部位別に違う味わいを楽しめるメニューをご紹介します。
まずは、ステーキです。ロース、肩ロース、ランプ、バラなどをシンプルに焼くだけの料理は、それぞれの味の違いが楽しめます。
また、しゃぶしゃぶ鍋では、部位別にスライスしたお肉を順番に食べ比べることができます。
鉄板焼きでもいいかもしれませんね。
このように、あえてシンプルな調理法を選択することにより、それぞれの部位ごとの味わいが楽しめます。好みの部位も見つかると思いますので、是非チャレンジしてみて下さい。
豚肉の『小間切れ』と『切り落とし』の違いを知ろう!
豚肉の『小間切れ』と『切り落とし』、同じ豚肉でも名前が異なると何が違うのでしょうか?どちらも肉の加工過程で出た半端な部分です。この表記に関しては、実際の規定があるわけではなく、『小間切れ』も『切り落とし』もお店によっては、同様の商品として扱われていることもあります。
しかし、あえてここでは、『小間切れ』と『切り落とし』の一般的な違いとされる点にフォーカスし、詳しく解説します。また、それぞれの特徴を生かした活用法もご提案します。
小間切れとは?
そのお店で扱っているお肉の不特定部位の切れ端を寄せ集めたものです。肩やロース、モモ、バラなどさまざまで、切り落としにならない部分をスライスするため、大きさや厚みなどにばらつきもあり不揃いです。色々な部位を集めたものが多いため、『豚肉の小間切れ』や『牛肉の小間切れ』などといった肉の種類表示はあるものの、部位表示はされていないのが一般的です。
小間切れの活用法
小間切れ(細切れ)は、名前通り細かく切られ、薄切りにされているので、使う時に切る手間も必要ありません。比較的価格も手ごろで、購入もしやすい為、冷蔵庫に常備しておいても便利です。「野菜だけでは物足りない。」「だしが欲しい。」など、お肉の形にこだわらない炒め物や肉じゃがなどといった煮物にも気軽に使えます。豚肉の小間切れを利用することで、調理が簡単で早く、手軽に豚肉の風味や旨味を引き出す様々なアレンジ料理を楽しむことができるはずです。
切り落としとは?
肉を成形する際の過程で発生した特定の部位ごとの切れ端を集めたもの。そのため、商品の多くは「肩ロース切り落とし」や「モモ切り落とし」などと部位の表示がされていることが多く、購入する際、どの部位の切り落とし肉であるかの確認が可能です。また、価格は、同じ部位ごとの切れ端なので、当然部位によって変わります。
切り落としの活用法
切り落としは、肉を切る過程で発生した余った部分を集めたものなので、一般的な形状やサイズはありません。『小間切れ』が薄く、細々としたものであるのに対して、『切り落とし』は、肉の塊だったり、厚めにスライスされたものであったりと、形状やサイズにバラつきがあり、不規則で様々な形態で提供されます。その為、煮物にすることで食感に変化をつけることができます。例えば、角煮や豚肉の煮込み料理など、長時間煮込むことで肉が柔らかくなって味がしっかりと染み込み、食べ応えのある一品に仕上げることができます。また、部位ごとに分けられているため、あっさりとした味わいにしたいか?コクのある味わいにするのか?好みで部位を選ぶのもお勧めです。切り落としは形状やサイズにバラつきがありますが、それによって料理の幅が広がります。スープや煮物、炒め物など、様々な料理に活用することで肉の旨味を引き出し、料理の味わいを格上げすることができます。ぜひ、切り落としを使って新たな料理の楽しみ方を探ってみてください。
豚肉の部位別特徴のまとめ
このように、豚肉には、さまざまな種類と特徴があります。部位別に特徴が異なる豚肉ですから、料理のテクニックや部位別に使い分けることによって、それぞれの部位の魅力を最大限に引き出すことができます。豚肉を使った美味しい料理を楽しむために、部位の種類と特徴を把握してみて下さい。ここで紹介した部位は一部ですが、その特徴を知ることによって、より豚肉のバラエティー豊かな味わいを楽しむことができ、料理のレパートリーも増えることでしょう。